12月月例会を開催しました! (2025年12月12日 @熊本大学)
この日は、北川は夕方まで球磨地方へ出張でしたので、高速道路を使って大急ぎで大学に帰ってきました。
年末ということもあってか、残念ながら参加者はやや少なめでした。そこで、いつもちょっとプログラムを変更し、じっくり考え合うことにしました。
今回の実践報告は、岩崎先生による「みきのたからもの」(光村2年)です。東京書籍を使っている方も多いですし、光村でも新教材ですから、前半はみんなで教材を読み合う時間にしました。「ナニヌネノン」(宇宙人)は何をしに来たんだろう?、カードを落としたってことはちょっと歩き回ってたってことだよね?、どんな姿か描かれていないのは何か意味があるのかな?、みきちゃん何で怖くなかったんだろう?、リボン長すぎじゃない?、等と様々な視点から語り合い、実に面白い時間となりました(今後も新教材の時には、読み合う時間にしてもいいかもしれないと思った程です)。
実践報告としては、本当に子供の側に立った時、問いづくりってどうあるべきか?という問題意識に基づいたものでした。よくある実践では、単元の序盤に、一読した程度で問いを作ることが求められます。でも、子どもによっては、ストーリーを掴むことに意識が向いていたため、問いなんて考えられていないということもあるのではないでしょうか。そこで、本実践では、教科書本文に中心人物の心内語を付箋でどんどん付けていくという活動にまず取り組むという活動を設定しています。そういった活動による掘り起こしの中で、「ここの部分はどんなことを思っていたんだろう?」という分からなさが出てきたり、みきちゃんはなぜ怖がっていないのかについてのズレが生じてきたりして、自然と問いが立ち上がるように工夫されたそうです。本時の授業では、「みきはナニヌネノンが消えていった空をどうして眺め続けていたんだろう?」という子どもたちからの問いが取り上げられていましたが、掘り起こしの活動が確保されていたからこそ、こういった細部への着目が見られたと言えるでしょう。演劇的手法も取り入れながら、この問いが学級内で共有されたことで、主体的な対話を通して読みを深める姿が見られていました。
子どもたちから出される問いは、対話の重要なきっかけとなります。しかし、そういった問いが生まれてくる状況をつくったり、個々に生じた問いを全体に共有したりする上では、教師の的確な働きかけが不可欠です。岩崎先生の実践を通して、改めて主体的な学びにおける教師の役割の重要性を再確認することができました。ありがとうございました!
11月月例会を開催しました! (2025年11月28日 @熊本大学)
少し遅くなってしまいましたが、11月の報告をします!
11月のアクティビティ紹介では、中里先生が「目的に合わせて意見を比べるミニ・トレーニング」を紹介してくださいました。中学年では、学級会等で話し合っていると、自分はどの意見がいいかばかりを考えていて、目的に合ったものを選ぶことが難しいケースがしばしば見られます。そんな時にオススメのアクティビティとして、目的に合ったものはどれかを選ぶことに焦点化して考え合うということをご提案いただきました。実際、参加者の先生方と、子どもになったつもりで「野球はさ〜」等と検討していきました。こういったピンポイントでの指導のネタを持っておくと、実態に応じた指導がしやすくなりますね。
実践報告は、緒方先生が、県小国の1学期例会で公開した短歌創作の実践をご報告くださいました。これはこの会の5月例会で授業相談したものをさらに発展させて実施された授業です。子どもたちが短歌に親しめるよう、クイズをうまく取り入れながら楽しく進められたようです。スターチャートといった様々な感覚を活かして、心の動きを掘り起こせるような工夫も様々に取り入れられていました。加えて、創作の中で対話を取り入れるために、自分が工夫した部分をあえて隠してクイズにするという活動に取り組まれたとのこと。多くの授業では、共同推敲として対話活動が設定されますが、小学生だとなかなか的確な助言をすることや語彙の少なさからピッタリ合う言葉を提案することが難しいということが多くあります。そういった問題意識から、共同推敲とは異なる形での友達との関わりを模索されたそうです。クイズにするという中で、表現にこだわることが推し進められたことでしょう。面白い工夫だと感じました。ただ、せっかく友達が回答したものを、単にハズレと切り捨てるのではなく、代案として再検討する素材としても良かったかもしれません。また、そのためには、作者が何に心が動いたのかを共有しておくとよいでしょう。短歌とセットで日記のような短い散文を示しておくと、クイズの回答の質も高まるでしょうから、代案として生かせそうなものも多く出されそうですね。短歌の創作に対話をどう生かすかをじっくり考えられる時間となりました。ありがとうございました。
10月月例会を開催しました! (2025年10月31日 @熊本大学)
やっと涼しくなってきたと思ったら、いきなり肌寒くなった熊本です。10月の活動を報告します。
今回も、アクティビティ→実践報告→授業相談 の展開です。
アクティビティでは「フラワーパス」の活動に取り組みました。北川が低学年向けに、話をつなぐ力を高めるために開発・効果検証してきたアクティビティです。トークオブジェクトとして発言する人がフラワーをもち、次の発言者に渡していきます。それを観察者がシートに記入していくことで、どのようにつながっていったかを可視化します。子供たちとしては、フラワーを持ちたい、線をたくさん繋ぎたいということをモチベーションとしながら、結果として積極的に話をつなぐことができるようになっていくのです。事後的に、どんな言葉かけをしたら話がつながったかを共有することで、方法知としても獲得していきます。今回も参加者の先生方に取り組んでいきましたが、つながりが可視化されることで自分たちのやりとりを見つめ直すことができました!「まずは1周ぐるっと回すよね」などの話し合いでのあるあるも共有され、楽しい時間となりました。オススメは、このアクティビティの後に、フラワーを使わずに話し合う活動を設定することです。見えないフラワーを手渡すように、発言をつないでいく子供たちの姿が見られることでしょう。(北川は高学年、成人も対象にフラワーパスを取り組んできましたが、いずれの発達段階でも新たな気づきが得られます)
実践報告では、嘉島西小の藤田先生が2年生の話すこと・聞くことの学習を「学びのつながり」というテーマでご報告くださいました。興味深かったのは、スピーチ単元から話し合い単元への意図的な接続を図られていたことです。
スピーチ単元では、「あったらいいな」と思うものを発表していくのですが、その過程で聞き手による質問を大事にされていました。私が素敵だと感じたのは、完成した「発表」段階で質問し合うこと以上に、下書きの「過程」段階で質問し合うことを取り入れられていたことです。子供たちにとっては、質問してもらうことで、聞き手が知りたいことがわかったり、詳しく説明するために必要なことがはっきりしてきたりといったメリットを感じる場面であったことでしょう。こういった質問を受けることを肯定的に捉えられるような学習機会を、特に低学年期にはぜひ大事にしたいものです。質問し合えるように、日常的に朝の活動を設定されているのも素晴らしいことだと感じました。
それを受けて、話し合い単元では、友達の相談にのるという言語活動が設定されていました(「そうだんにのってください」光村図書2年)。特に工夫されていると感じたのは、「1分間チャレンジ」としてフィッシュボール型(話し合いグループを他の児童が観察する)の活動とそれをもとにした学級全体での振り返り活動が繰り返されていたことです。学習が進んでいくにつれて、クラスの中で、どうやったら上手に相談にのり合えるかの方法知が蓄積されていったことでしょう。この単元を通して、我々も教科書の動画をどう活用させていくのがよいか、どんどんアイディアを出していく話し合いから発言をつないでいく話し合いへと移行させていくにはどうしたらよいか、を考え合うことができました。この会ならではの様々なアイディアが出され、参加者にとって大きな学びになったように思います。ありがとうございました!
9月月例会を開催しました! (2025年9月19日 @熊本大学)
夏休みをはさんで、9月例会を開催しました。
今回も、アクティビティ→実践報告→授業相談の流れでの実施です。
アクティビティは、ピンチヒッターの緒方先生が担当してくださいました!
取り組んだアクティビティは「意見のリレー」と「比べて区別」の2つです。
「意見のリレー」は猫派か犬派かをテーマに、前の人の発言に関連づけていきました。「いや、私は鳥派なんで・・・」という方もいて、大いに盛り上がりました。緒方先生が教室でやってみた経験を活かし、2分間ぐるぐる回していくという方法もご紹介いただきました。2週目はテーマを変えるか、理由の部分を関連づけていくか、新たな方法が生まれそうだなと感じた次第です。また、「比べて区別」は語彙習得にも、読むことの学習を深める上でも有効です。対話して終わるか、対話した結果を表出するようにするか、先生方も実践しながら工夫してみてください。
実践報告は、御船小学校の佐々木先生が「時計の時間と心の時間」を主教材とした、読むことと書くことを関連させた実践をレポートしてくださいました。子供たちが伝えたい内容を持っているものの「どう伝えたら説得力があるだろう?」という状況をうまく作り出し、説明的文章教材から事例の用い方を学び取ろうという効果的な学習過程を設計されていました。目的をもって読む上で、読む学習と書く学習を関連づけることは私も有効だと思います。ただし、その際、佐々木先生のように、どのような点を関連付けかを焦点化することが大切です。そうでないと、いつも教科書教材と同じ文章構成で書くことを求めてしまい、結果として「難しい・・・」となってしまったり、子供たちの書き表したいものとズレが生じてしまったりしがちだからです。また、読むことの学習場面では、事例に着目させた上で、まずは各事例の納得度を話し合ったとのことです。その後、「経験談の事例が分かりやすいんだったら、全部経験談の事例にしたらいいんじゃないの?」と揺さぶりをかけられていました。そして、この揺さぶりが、事例の種類とそれぞれの効果を考えることに誘い、さらには事例の順序にも意味がありそうだという学びへと発展していったそうです。まさに、「言葉による見方・考え方」が働かされながら、深い学びへと展開していったと言えるでしょう。先生方からも、さまざまな質問や意見が出され、充実した学び合いの場となりました。ありがとうございました!
7月月例会を開催しました! (2025年7月25日 @熊本大学)
今回は、夏休み期間中ということもあり、20名を超える先生方にご参加いただきました!
初参加の方もたくさんいらっしゃり、嬉しいかぎりです。20代の若い先生方もキャリアのある先生方も一緒に語り合いながら、大いに学ぶことができました!
今回も、アクティビティ→実践報告→授業相談の流れでの実施です。
アクティビティは、「答えて質問インタビュー」に取り組みました(北川担当)。質問し答えるのを1ターンとし、3ターンを目標に対話していきます。その際に、まずはあえて極端に短く回答するようにして、やりにくさを実感してもらいました。その後、少し詳しく答えるというポイントを共有することで、対話が充実することを味わいました。実際、普段の対話活動において、必要最低限しか回答しない子もいることでしょう。そういった子にも、このアクティビティを経験してもらうことで、協力して対話を豊かにしていく必要があることを体感的に学んでもらえます。また、教科書のインタビュー単元の1~2週間前から継続的に取り組むことの有効性についてもお伝えしました。準備もほとんどいらない手軽なアクティビティです。ぜひお試しください。
実践報告では、楠小学校の中里先生(事務局)が、「わにのおじいさんの宝物」(東京書籍3年)を教材とした物語を読む学習についてレポートしてくださいました。問いづくり、自由進度といった要素を取り入れながらも、子供たちの対話を通した学びを充実させるにはどうしたらよいかといった課題意識のはっきりとした提案でした。単元前や単元と並行しながらの対話のアクティビティの実施や、「考えのズレ」を予想して全員で学び合う場面の位置付けなど、参加者の先生方が今後生かしたいと感じられるような手立てがいくつもあったと感じています。あらすじを書くという言語活動をどう扱っていくとよいかについても、よいヒントが得られたように思います。タイムリミットが来てしまい協議を終えましたが、いくつも質問が出てくる充実した時間となりました。ありがとうございました!
最後の授業相談では、「一つの花」「注文の多い料理店」の授業についてアイディアを出し合いました。若い先生2名が相談のネタを持ってきてくれたのですが、嬉しいことに「とても勉強になった」と笑顔でおっしゃってくれました。相談にのる側の先生方も、あらためて教材の魅力を見いだす機会になったようです。2学期の例会で相談したいという先生がたくさん出てくださったのも、今回の授業相談が充実していた証でしょう。今後も、どのキャリアの先生方も、みんなで対話しながら学び合っていける会にしていきたいと強く感じました。
6月月例会を開催しました! (2025年6月20日 @熊本大学)
今回から、アクティビティ→実践報告→授業相談の流れでの本格実施が始まりました!
まず、菊之池小の德渕先生がご紹介してくださった「ランキングトーク」のアクティビティにみんなで取り組みました。
ランキングを考え、友達と交流するといったシンプルなものですが、やってみたら、大人でもしっかり理由づけて説明しようという気持ちが高まりましたし、メンバーの意見を聞いて考え直したり、新たな発想を得たりすることができました。
実は德渕先生、今回は急遽のピンチヒッターだったのですが、とても楽しい活動でした。ありがとうございました。
実践報告では、御船小の中村先生に、「こまを楽しむ」(光村図書3上)を用いた「中心となる文」を考え合う実践を報告いただきました。
「中心となる文」と言っても3年生ではぴんとこない子も多いですが、「無いと困る文はどれか?」と選択して考える発問にされたことで、意欲的な対話が生まれたそうです。その際、1文ずつ削った文章を提示することで、どの子も考えやすいよう配慮されたのも、さすがの手立てだと感じました。また、最終的な判断に向けて、「問いの文」と「答えの文」として意識させたのは、子供たちの納得に大きく影響したようです。教材研究を通して、考えどころを的確に見定めたからこその手立てだと感じました。このように、「中心となる文」をどう判断したらよいかを明示的に指導することは、教材文を越えて、今後の読む学習で生かされていくことでしょう。要約を下支えする言語力としても、とても大事であると言えます。
振り返りの記述のさせ方や、日常的な聞く意識を高める活動など、参加者にとってまねしたくなる点が多かったのではないかと思います。充実した報告をありがとうございました。
最後に、授業相談では、「時計の時間と心の時間」(光村図書6年)で構造と内容の把握の指導事項にどう迫るか、ということが話題になりました。
筆者は何をどのような論拠で述べているかといった構造を捉えながら、それにどの程度納得できるか、自分の経験を踏まえて語り合えるような授業が展開されることを期待しています。
5月月例会を開催しました! (2025年5月20日 @熊本大学)
5月の月例会では、対話力を高めるためのアクティビティをもう少し知りたいというリクエストにこたえて、3つのアクティビティに取り組みました(図参照)。
いずれも、年度の早い段階で取り組むと効果的なアクティビティです。
この中から「パストーク」を紹介します。
まず先生が全体に質問をします。例えば、「何の遊びが好きですか?」
手を挙げてくれた子に、写真のようにボールをパスして答えてもらいます。「折り紙です」
まあ、ボールといっても、ここでは毛糸のもしゃもしゃですが。
答えてくれたことに対して、先生が質問します。「折り紙で一番得意なのは何ですか?」
答えが返ってきたら、また全体に同じ質問をして繰り返していきます。
楽しく取り組めますし、何といっても準備がほとんどいりません。
それでいて、応答しながら聞くということを先生の姿を通して学ぶことができるオススメのアクティビティです。
参加者に先生役をやってもらいながら、我々も楽しく「お試し」に取り組みました!
後半は、5年生の対話を取り入れた短歌づくりの授業づくりについて、みんなでアイディア出ししました。
短歌づくりのプロセスに、友達がどう参加することができるか。
面白いテーマだと思います。
当然ながら、短歌づくりの名人ではないので「こうするとよい」というアドバイスはできるはずがありません。
つくった本人がまだしっくりきてないところに案を出してもらうといった推敲に参与してもらうのが基本でしょうか。
あるいは、自分が表したかった出来事や思いと、読み手の思い浮かべたものとを比べて、推敲のきっかけにするということも面白いかもしれません。
どんな実践になったか、楽しみにしています。
キックオフ回を開催しました! (2025年4月25日 @熊本大学)